普段からあまり食べていないはずなのに、なぜか太っている。
病気?それとも他に原因が?
この類の悩みを抱えているのは、特に女性に多いと思います。
考えられる原因をしっかりと把握し、健康的な身体を手に入れましょう。
目次
原因その1:消費カロリーが少ない
これが、太りやすい人の一番の原因です。
そもそも、人間が太る(体重が増える)原理というのは、自分の消費カロリーよりも摂取カロリーが上回った時です。
つまり、少食で大して食べていないのに太るということは、この方程式の分岐点がかなり低く、摂取カロリーが簡単に消費カロリーを上回ってしまうということです。
そして、消費カロリーが少ない(分岐点が低い)のは、少食で筋肉量が少ない方に多い傾向でもあります。
そこで、まずは自分の一日の消費カロリーを把握することがとても重要です。
自分の消費カロリーを知る
【消費カロリーの計算式】
消費カロリー=除脂肪体重×28×活動値
・除脂肪体重=体重−体脂肪
例)体重60kg・体脂肪率10%の人であれば、体脂肪は60kg×10%で6kgです。体重60kg−体脂肪6kgで除脂肪体重は54kgになります。
・活動値=1日の間にどれだけ身体を動かすかの数値のこと。
数値はおおよそ1.2〜1.7の間で計算し、1日の活動量が多い人ほど大きい数値になります。例えば、デスクワークが多く、活動量が少ない時は1.2くらいです。筋トレなどの激しい活動をする時は1.7くらい。営業回りやそこそこ身体を使う時は1.5くらいを計算式に当てはめてください。※自分のライフスタイルに合わせて数値は決めてください。
※基礎代謝=除脂肪体重×28
ちなみに、基礎代謝と消費カロリーは似ていますが、厳密には別物です。基礎代謝は何も活動しないで寝たきりの状態でも勝手に体内で消費されていく数値のことです。
例)体重60kg・体脂肪率10%・デスクワーク中心の会社員の場合
消費カロリー=除脂肪体重54kg×28×1.2=1,814kcalとなります。
つまり、この数値以上食べないようにすれば、理論上は体重が増えないことになります。
筋肉量が少ない
筋肉量が少ないと、代謝が落ちるというのは聞かれたことがあると思います。
これは、筋肉が基礎代謝の約2割の力を担っている為です。日常から運動する習慣がない方は、当然ながら筋肉量も減り、代謝も落ちます。
筋肉量の減少は運動不足だけではなく、少食がゆえに筋肉を維持する為の栄養素が充分に摂取しきれていない可能性もかなり高いです。
原因その2:栄養不足
先程の話に付随しますが、これは少食がゆえに陥りがちなことです。
少食の方の大半は、太っている原因の一つがまさか少食にあるとは思ってもみなかったことでしょう。だから、少食なのに太っていることが腑に落ちなくて、この記事に辿り着いたんだと思います。
栄養はとても重要なウエイトを占めています。特に必要不可欠なのが、炭水化物とたんぱく質とビタミン&ミネラルです。
炭水化物
炭水化物は糖質と食物繊維のことです。
太る原因として、かなり敬遠されている栄養素だと思いますが、実は炭水化物は筋肉の合成にかなり重要な役割を担っています。
人間の体内に炭水化物(糖質)が入ると、すい臓から分泌されるインスリンホルモンの働きによって、血糖値を下げてくれます。下がった血糖は血液の流れに乗り、筋肉・肝臓・脂肪などに栄養を与えます。
筋肉や脂肪に栄養が行くと、同化の作用といって筋肉は脂肪と結びつくことで大きく成長します。
つまり、筋肉がつく=脂肪がつくということ。脂肪をつけたくないから炭水化物を摂取しない=筋肉がつかないということになります。
たんぱく質
人間の身体の20%近くはたんぱく質で構成されています。
筋肉量の低下が代謝に良くないということは先述しましたが、筋肉の一番の源はたんぱく質です。
ただでさえ、女性はたんぱく質の摂取量が少ないのに、少食だからと言って摂取量を減らしてしまうのは筋肉量の減少に繋がる悪いサイクルです。
ビタミン&ミネラル
酵素の働きに大きく関わる栄養素です。
人間の生命活動(代謝・消化・吸収・分解・排泄・ホルモンバランスの調整など)のほとんどは酵素の働きによってもたらされます。
その酵素の構成要素が、主にたんぱく質とビタミン&ミネラルなのです。
特に、ビタミンB群は炭水化物・たんぱく質・脂質の三大栄養素を代謝し、しっかりと体内に吸収してエネルギーに変えてくれる役割があります。
ビタミンCには抗酸化作用や免疫力の向上効果があり、ビタミンEにも抗酸化作用があります。ミネラルはホルモンの生成に欠くことのできない栄養素です。
かなり蔑ろにしがちな栄養素ですが、ビタミン&ミネラルを摂ることで、しっかりと体調を整えて代謝の改善や便通の改善など様々な効果が期待でき、結果として太りにくくなるということです。
原因その3:活性酸素
簡単に言うと老化のことです。
日常の様々な要因から、人間の体内では活性酸素という物質が発生します。その活性酸素が、人間の遺伝子に傷をつけ、老化をもたらします。
老化すると、当然ながら代謝も落ちますし、様々な身体機能への影響は計り知れません。
活性酸素が発生する要因としては、喫煙・飲酒・ストレス・紫外線・筋トレなど様々です。
正直、防ぎようのないことがほとんどだとは思いますが、生活環境の中でなるべくストレスを溜めないことを心掛けましょう。
ストレスによって、睡眠不足や過食を引き起こす可能性もあるので、充分に注意してください。
原因その4:褐色脂肪細胞が少ない
これは、体質的な問題です。
人間の脂肪細胞は二種類あり、一般的な脂肪細胞のイメージである白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞です。
褐色脂肪細胞とは、白色脂肪細胞を燃料にして人間の体温を上げてくれる脂肪燃焼組織のことです。つまり、この褐色脂肪細胞が多い人程、体温を上げる際に脂肪が燃焼されやすく、太りにくいということになります。
元々赤ちゃんの頃に沢山存在する細胞ですが、年齢を重ね、体温調節機能が備わってくるにつれ減っていく細胞です。
対策その1:筋トレ
普段から運動をする習慣がない方や、そもそも運動嫌いの方にとってはハードルが高いかもしれませんが、本気で現状を打破したいのであれば、これ以上の近道はありません。
人間の身体は筋トレをしている人でもしていない人であっても、常に筋肉の合成と分解を繰り返しています。
激しい筋トレをして、どんどん筋肉を増やす程する必要はありませんが、最低限筋肉の維持はしたいところです。
わざわざジムに通う必要もありませんし、自宅でできることから始めましょう。
筋肉の約70%は下半身に集中していますので、上半身よりも下半身を鍛えることに重点を置きましょう。
おすすめの種目は、自重(重りなし)で行うスクワットです。お尻から脚まで下半身を満遍なく鍛えられる種目です。
腰を下ろす時はなるべくゆっくり動作を行うようにしてみてください。
最初はかなりキツいと思うので、回数もよくある10回×3セットという縛りはなくていいです。筋肉に程良い痛みを感じたら止めるようにしてください。
対策その2:食事はしっかり摂る
先述した炭水化物・たんぱく質・ビタミン&ミネラルは特に意識してください。
筋トレをするようになると、食事にも気を遣い始めるいいサイクルができるので、せっかく運動したのを無駄にしない為にも、しっかり栄養素を取り込みましょう。
【おすすめの食事】
- 炭水化物:パスタ→たんぱく質が豊富で、色々なバリエーションが楽しめる
- たんぱく質:青魚→中性脂肪の蓄積を抑え、ホルモンバランスを整える
- ビタミン&ミネラル:サプリメント→毎日必要摂取量を摂るのはほぼ不可能な為、サプリメントで効率的に摂取
また、カロリー計算もしっかり行うようにしてください。
【カロリー計算】
- 炭水化物1g=4Kcal
- たんぱく質1g=4Kcal
- 脂質1g=9Kcal
炭水化物とたんぱく質を意識する分、余計な脂質はなるべく摂らないよう意識しましょう。
また、いくら少食の方でもお菓子は結構食べるという方は沢山います。饅頭や餅・グミなどはかなりカロリーを稼ぎやすいので注意してください。
対策その3:寒い時期を狙う
体質を変えるのに一番適しているのは、冬などの寒い時期です。
夏の方が汗をかき痩せるイメージがあると思いますが、真逆です。
先述した褐色脂肪細胞を増やすには、体温を上げる必要のある寒い環境下に身を置き、脂肪を燃焼して体温を上げる仕組みをより強固に癖付けすることが重要です。
また、普段から青魚などの良質な脂を摂取することにより、中性脂肪を溜め込みにくい体質への改善が期待できます。
寒い時期になると、魚も美味しく味わえると思うので、その点からも寒い時期がおすすめです。
まとめ
少し専門的な知識もありますが、消費カロリーや摂取カロリーの計算は、とても簡単です。
まずは自分の身体を知り、適切なアプローチをする癖付けから始めましょう。
この記事をここまで読んでくださった方は、断食やサラダダイエットなどがいかに無意味であるかを理解できたはずです。
是非参考にしてください。
※今回の内容は美容にも繋がっています。この記事が気に入っていただけたら、美容についての記事も書いていますので、是非参考にしていただけたらと思います。
[…] 少食なのに太ってる 病気を疑う前に知ってほしいこと […]